平和の配当 2016 10 9
平和の配当とは、デフレです。
最近、先進国は、デフレ対策に夢中になっていますが、
世界の平和が長期間続けば、世界はデフレになります。
そもそも、デフレというのは、
「供給」に対して「需要」が少ない状態です。
普通に考えれば、「需要」を増やすか、
「供給」を削るか、どちらかです。
人類の歴史を振り返れば、
戦争によって需給を調整してきたのです。
かつての世界大戦では、
戦場にならなかった国では、戦争特需で「需要」が増え、
戦場になった国では、
生産設備が破壊され、「供給」が減少しました。
こうして、不幸にも、
「需要」と「供給」が均衡してきたのです。
これが、人類の経済史です。
だから、デフレを嘆いてはいけません。
デフレの時代には技術革新が起こるでしょう。
つまり、創造的破壊が必要とされるのです。
創造的破壊が次の時代を知らせる鐘の音となるのです。
創造的破壊 2011 10 8
スティーブ・ジョブズ氏に送る言葉は、
「あなたは、シュンペーター経済学の実践者であった」ということです。
シュンペーター経済学の中心概念は、「イノベーション」であり、
イノベーションの実行者を企業者(起業者)と呼びました。
ここでいう「企業者」とは、生産要素を全く新たな組み合わせで結合し、
新たなビジネスを創造する者のことです。
さて、シュンペーターは、次のような言葉も残しています。
「資本主義は、成功ゆえに巨大企業を生み出し、
それが官僚的になって活力を失い、社会主義へ移行していく」
シュンペーター Schumpeter 2007 11 4
ケインズと並び20世紀を代表する経済学者と言われるシュンペーター。
しかし、今、本屋に行っても、
シュンペーター経済学の本を見つけるのは難しいでしょう。
現代は、忙しい時代なので、
手っ取り早く、シュンペーター経済学を知りたいという人が多いでしょう。
そこで、ちょうどよい本があります。
「シュンペーター」 伊東光晴 根井雅弘 著 岩波新書
「ケインズ政策は有効需要の操作であったが、
シュンペーターが明らかにしようとしたものは、
新しい技術と組織による供給構造の変化であり、
新製品の登場による市場の創造であった」(あとがき)